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補説§59

§59.1 前田直子:「ように」節 §59.2 小川・三枝『日本語文法演習 ことがらの関係を表す表現−複文−』目次 

§59.1 前田直子:「ように」節

 前田直子(2006)『「ように」の意味・用法』笠間書院  「ように」はいろいろな用法があってわかりにくいものです。上の本が出版され、 詳しい分析が手軽に読めるようになりました。  その第4章「必須成分として機能する「ように」節」のまとめを引用します。 「概説」本文ではきちんと扱っていないものです。    思考・知覚内容およびそれと同類の「ように」節    =話者の認識の内容を表す      〇弭諭ηЪ院ΑΑΑΑ思える・思われる・思う・感じる・・・      知覚・認知・・・・・見える・聞こえる      2餌の発話・・・・・発話動詞(言う・証言する・申告する・・・)      さ響   ・・・・・ふるまう・よそおう・見せかける・・・    命令・祈願内容およびそれと同類の「ように」節    =願望・当為的なまちのぞみの内容を表す      〔仁瓠Π様蝓ΑΑΑΑΩ世Αμ仁瓩垢襦Υめる・指示する・説得する              頼む・依頼する・お願いする・注意する・・・      祈願・・・・・願う・祈る・望む・期待する・・・      4誘・・・・・誘う      づ慘蓮ΑΑΑΑε悗瓩襦ε慘呂垢襦心掛ける・約束する・・・                          (前田(2006)、p.69)

§59.2 小川・三枝『日本語文法演習 ことがらの関係を表す表現−複文−』

 次の本を紹介します。複文全体を扱い、短い解説と問題練習で複文の用法を学習者に学ばせ ようという、意欲的な本です。まず目次をのせます。 小川・三枝『日本語文法演習 ことがらの関係を表す表現−複文−』スリーエーネットワーク 2004                        ページ  機―臉楙魴   ウォームアップ   1.と・ば・たら・なら 4      と・ば・たら      なら   2.条件を表す複合形(発展) 11    (1)仮定を表す複合形 11      かぎり(では)      ないことには〜ない      (よ)うものなら      くらいなら    (2)仮定・確定を表す複合形 13      とすれば・とすると・としたら   総合練習 15  供ゝ媽楙魴   ウォームアップ   1.ても・のに・が/けれど 17   2.逆接条件を表す複合形(発展) 20    (1)「ても」類 20     といっても     にしても・としても     (よ)うが・(よ)うと     からといって(〜は)     たところで     (よ)うにも    (2)「のに」類 23     くせに    (3)「けど」類 24     は/ならともかく(とにかく)     ものの     にしては     わりに(は)   総合練習 28  掘〇の表現   ウォームアップ 30   1.とき(に)は 32   2.場合(に)は 36   3.時を表す表現(発展) 38      をきっかけに(して)      なり      次第      末に   総合練習 41  検仝彊・理由   ウォームアップ 44   1.基本的な形−から・ので・て・なくて・ため(に) 46    (1)から・ので 46      用法の違い      理由以外の「から・ので」    (2)て・なくて 48    (3)ため(に) 50   2.話し手の判断を含む形式 52    (1)のだから・んですから    (2)おかげで・せいで    (3)からには・以上(は)    (4)からこそ    (5)ばかりに    (6)あまり(に)    (7)だけに・だけあって    (8)がゆえに (9)し   総合練習 62  后,修梁   ウォームアップ 64   1.形式名詞と名詞化 66    (1)「もの」と「こと」 66     「もの」と「こと」     名詞+のこと     というもの・こと    (2)名詞化 69     名詞化とは     「こと・の」と動詞     〜のは〜だ     〜の〜の    (3)ところ 73     「ところ」の意味     ところに・ところを   2.て形・連用中止形・なく(て)・ないで・ずに 77    (1)て形    (2)連用中止形    (3)なくて・ないで・ずに   3.目的 81    (1)ため(に)・よう(に)    (2)のに・に   4.引用 85    (1)引用文    (2)引用文と動詞    (3)という   5.付帯状況・例示など 92    (1)ながら・まま    (2)がてら    (3)と    (4)なり    (5)やら  ちょっと一息    「ても」のその他の用法    「ば」の慣用表現:ことわざ    「ば」「なら」の列挙用法    複文のいいさし形    条件形の副詞、接続詞用法    「疲れていたからか」の「か」    「X(辞書形)うえでY」    「XはおろかY〜」    「と見える」と「が見える」    「XどころかY」    「XことなくY」  総合演習  100 ▽少ないページ数ですべての複文文型を扱うのはそもそも不可能なことですが、かなり  多くの文型を扱っていることに感心します。  「条件」が最初というのは、やはり学習者にとって難しく、教師に説明が求められる  文型だということを示しているのでしょう。 「59.複文のまとめ」へ