~も気にしないで
with disregard for
❶ 最近は電車の中で人目もかまわず化粧している女の人をよく見かけます。
❷ 父は身なりもかまわず出かけるので、いっしょに歩くのが恥ずかしい。
❸ 彼女は雨の中を、服がぬれるのもかまわず歩き去って行った。
❹ アパートのとなりの人はいつも夜遅いのもかまわず、大きな音で音楽を聞いている。
接続 | N/〔普通形〕(ナAな・ナAである/Nな・Nである)+の+もかまわず |
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「普通は注意を払うことだが、それを気にしないで」という意味を表す。慣用的に、 ❶ の「人目もかまわず」の形でよく使う。
Someone disregards what they normally should pay attention to. Often used idiomatically, as in sentence ❶ (without regard for what people think).
~も無視できないが
can't ignore…, but
❶ 子どもの心を傷つける要因として、「いじめ」の問題もさることながら、不安定な社会そのものの影響も無視できない。
❷ あの作家の作品は、若いころの作品もさることながら、老年期に入ってからのものも実にすばらしい。
❸ 最近は、世界の政治や宗教の問題もさることながら、人権問題も多くの人の注目を集めている。
接続 | N+もさることながら | F | W |
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「~も無視できないが、後の事柄も」と言いたいときに使う。
What precedes pattern cannot be ignored, but fact that follows pattern is also true.
全然~しない
without even
❶ わたしが「さよなら」と言ったのに、あの人は振り向きもしないで行ってしまった。
❷ 調べもしないで結論を出さないでください。
❸ わたしがせっかく作った料理なのに、彼は食べもしない。
❹ 困っているときにずいぶん助けてやったのに、彼は自分がよくなったらあいさつに来もしない。
接続 | Vます+もしない |
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「まったく~しない」と不満の気持ちをもって言うときの言い方。
Dissatisfaction with someone who doesn't attempt to do something at all.
both…and…
❶ この服はデザインもいいし、色もいいです。
❷ あしたは遠足です。お弁当も作ったし、飲み物ももう買いました。
❸ わたしのアパートは狭いし、駅から遠いし、日当たりもよくないです。けれども、家賃は安いです。
❹ きのうは市役所へも行ったし、図書館へも行って、忙しい1日でした。
接続 | Nも+〔普通形〕+し、Nも |
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1)同類の性質のことを重ねて述べる言い方。「N1も~し、N2も…(今週もひまだし、来週もひまです)」という言い方のほうが「N1もN2も…(今週も来週もひまです)」という言い方より気持ちを重ねる意識が強い。
2) ❸ のように、「Nも」がない形もある。
3) ❷ のように助詞「は・が・を」の後ろに「も」がつくと、「は・が・を」は消える。その他の助詞は ❹ のようにそのまま残る。
4)「も~ば、~も・も~なら、~も」より話し言葉的。
参照︰も~ば、~も
1)Complementary attributes in same category. N1 も~し, N2も (as in "I'm free this week and I'm free next") expresses stronger consciousness of comple-mentariness than N1もN2も (as in "I'm free both this week and next").
2)Can be used without the Nも, as in sentence ❸ .
3)When も follows particles は, が, orを, they disappear, as in sentence ❷ . Other particles remain, as in sentence ❹ .
4)More of spoken form than も~ば, も or も~なら~も.
➡ はもちろん
➡ をもって
➡ にもとづいて
➡ にもとづいて
➡ にもとづいて
➡ のもとで
➡ をもとに(して)
➡ をもとに(して)
➡ はもとより
➡ も~ば、~も
から(だ)
because
❶ A:新しい仕事の話は断ったんですか。
B:ええ、今、忙しくて、9月末までにはできないもの。
❷ 学生A:今日の授業に出席してなかったね。
❸ 姉:あっ、わたしのベストまた着てる。どうして、黙って着るの。
❹ (弟の食べ物を見て)
姉:え、そんなにたくさん食べるの?
接続 | 〔普通形〕+もの | S |
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1)くだけた話し言葉。文の終わりにつけて、個人的な理由を言ったり、言い訳をしたりするときに使う。
2)親しい間柄の会話では、 ❸ ❹ のように「もん」が使われる。
3)「んだもん・だって~んだもん」の形がよく使われるが、甘えた感じのする言葉である。
1)Informal. Appends to sentence ending to express personal reasons or excuses.
2)In familiar circles, もん is used, as in sentences ❸ and ❹ .
3)Forms んだもん and だって~んだもん are often used but have feel of asking indulgence on part of listener.
決して~ない
how could; who could; what could
❶ A:一人暮らしは寂しいでしょう?
B:寂しいものか。気楽でいいよ。
❷ あんな失礼な人と2度と話をするものですか。
❸ 連休の遊園地なんか人が多くて疲れるばかりだ。もう、2度と行くもんか。
❹ A:デジカメって、使い方が複雑でしょう?
B:複雑だって? 複雑なもんか。ちょっと慣れれば、簡単だよ。
接続 | 〔普通形〕(ナAな/Nな)+ものか | S |
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1)話者の強い否定の気持ちを表現するときの言い方で、反語を使った、やや感情的な言い方。
2)くだけた会話で使う。
3)「絶対に・決して」などとともによく使う。 ❸ ❹ の「もんか」は「ものか」よりくだけた言い方。
1)Strong negation on part of speaker. Slightly emotional rhetorical question.
2)Used in informal speech.
3)Often used with 絶対に,決して, etc. The もんか in sentences ❸ and ❹ is more informal than ものか.
➡ ないものか
とても~だ/なんとなく~感じる
(deep emotion, enthusiasm) very; somehow feel
❶ 中学校の古い校舎が取り壊されるそうだ。思い出の校舎なので、わたしにとって残念なものがある。
❷ 10年前に友人と共同で書いた本が今でも使われていることには感慨深いものがある。
❸ あの若さであのテクニック! 彼の演奏にはすごいものがある。
接続 | 〔普通形〕(ナAな)+ものがある(現在形だけ。Nにつく例はない) |
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1)「~ものがある」の形で、話者がある事実から感じたことや物事の特徴を表現するときに感情をもって言う表現。
2)「~」には話者の感情を表す言葉が来ることが多い。
1)Emotionally expresses speaker's feelings when discussing something felt about fact or characteristics of some matter.
2)Often words expressing speaker's feelings precede pattern.
よく~したなあ
used to
❶ 子どものころ、寝る前に父がよく昔話をしてくれたものだ。
❷ 小学校時代、兄弟げんかをしてよく祖父にしかられたものだ。
❸ 学生のころは、この部屋で夜遅くまで酒を飲み、歌を歌い、語り合ったものだ。
接続 | Vた+ものだ |
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1)昔よくしたことを思い出して、懐かしんで感情を込めて言うときの表現。
2)「よく~ものだ」の形でよく使う。
1)Nostalgic emotion about memory of something often done in past.
2)Used in pattern よく~ものだ.
ほんとうに~だなあ
really…; truly something
❶ 知らない国を旅して、知らない人々に会うのは楽しいものだ。
❷ タンさんは家族を亡くし、苦労をしながら、今日まで一人でよく生きてきたものだ。
❸ 月日のたつのは早いもので、この町に引っ越して来たのはもう20年も前のことだ。
❹ 小さな子どもがよくこんな難しいバイオリンの曲を弾くものだ。大したもんだ。
接続 | 〔普通形〕(ナAな)+ものだ(Nにつく例はない) |
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1)心に強く感じたことや、驚いたり感心したりしたことを感情を込めて言う。感慨を表す。
2) ❹ の「もんだ」はくだけた会話の言い方。
1)Expresses emotionally something heartfelt, surprise, or deep impression. Deep emotion.
2)In sentence ❹ , form もんだ is used in informal speech.
~するのが当然だ
should
❶ 元気な若い人は乗り物の中でお年寄りに席を譲るものだ。
❷ 病院のお見舞いに、鉢植えの花は持っていかないものですよ。
❸ 祖父:もう10時だよ。早く寝なさい。子どもは10時前に寝るもんだ。
接続 | Vる・Vない+ものだ |
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1)個人の意見ではなく、道徳的、社会的な常識について「そうするのが常識ですよ・そうしないのが常識ですよ」と訓戒したり、説教したりするときの表現である。
2)話し言葉では ❸ のように「もんだ」になることが多い。
参照︰ものではない
1)Moralizes or exhorts that speaker's opinion to do or not do something is not personal but based on moral and social common sense.
2)Often becomes もんだ in spoken language, as in sentence ❸ .
~ので
because
❶ 教師:どうして遅刻したんですか。
❷ いつもは敬語なんか使わないものだから、偉い人の前に出ると緊張します。
❸ 今週は忙しかったもので、お返事するのがつい遅くなってしまいました。
❹ わたしは新人なもんで、ここでは知らないことが多いんです。
❺ (同僚と)
東:西さん、先週、あんまり会わなかったね。
接続 | 〔普通形〕(ナAな/Nな)+ものだから |
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1)理由を言う言い方であるが、個人的な言い訳をしたいときによく使う言い方。
2)後の文に、命令や意志のある文はほとんど使わない。
3) ❸ ~ ❺ のように「もので」という形もある。「もんで」はくだけた会話の中で使う。
1)Gives reason, but is often personal excuse.
2)Clauses with commands or volition rarely follow.
3)Also form もので, as in sentences ❸ to ❺ . Form もんで is used in informal speech.
➡ ものだから
~するのは常識に反する
certainly shouldn't
❶ 無駄づかいをするものではない。お金は大切にしなさい。
❷ 電車の中では、ものを食べたり飲んだりするものではありません。
❸ 弱いものいじめをするもんじゃないよ。
接続 | Vる+ものではない |
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1)個人の意見ではなく、道徳的、社会的な常識によって「そうするのは社会的常識や道徳に反しますよ」と訓戒したり、説教したりするときの表現。
2)話し言葉では ❸ のように「もんじゃない」となる。
参照︰ものだ〈忠告〉
1)Moralizes or exhorts that speaker's opinion to do something is not personal but is against moral and social common sense.
2)Often becomes もんじゃない in spoken language, as in sentence ❸ .
➡ ないものでもない
もしできるなら
if can
❶ できるものなら鳥になって国へ帰りたい。
❷ A:ねえ、いっしょに旅行に行きましょうよ。
❸ スケジュールが自由になるものなら、広島に1泊したいのだが、そうもいかない。
❹ 男1:殴るぞ!
❺ 治るものなら、どんな手術でも受けます。
接続 | Vる(可能の意味の動詞)+ものなら |
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「~ものなら」の形で、「~」の前には可能の意味を含む動詞が来る。そして実現が難しそうなことを、「もしできるなら」と仮定して、後の文で希望や命令など話者の意志を表す。
Verbs of potentiality precede ものなら. Supposes being able to accomplish reality that is difficult to achieve. Speaker's volition, including hopes or commands, appear in clause following.
➡ ようものなら
~だが、しかし
although; notwithstanding
❶ 頭ではわかっているものの、実際に使い方を言葉で説明するのは難しい。
❷ 新しい服を買ったものの、なかなか着ていく機会がない。
❸ 祖父は体は丈夫なものの、最近耳が聞こえにくくなってきた。
接続 | 〔普通形〕(ナAな・ナAである/Nである)+ものの |
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「~ものの、…」の形で、「~の事柄は一応事実なのだが、しかし、実際はそのことから予想されるとおりにはいかない」という意味に使う。
Something is certainly true, but result does not go as expected.
~のに
even though…how could
❶ 先輩があんなに親切に言ってくれるものを、彼はどうして断るのだろう。
❷ 知っていれば教えてあげたものを。わたしも知らなかったんです。
❸ 夏の間にもう少し作業を進めていればよかったものを。怠けていたものだから、今になって、締め切りに追われて苦しんでいる。
❹ あのとき、薬さえあれば彼の命は助かったものを。
接続 | 〔普通形〕(ナAな)+ものを(Nにつく形はない) |
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1)期待とは違ってしまった現実を悔やんだり、不満に思ったりしたときに使う。
2)不審・不満・恨み・非難・後悔などの気持ちを込めて言うことが多い。
3) ❹ のように、後の文が省略される場合も多い。
1)Vexation or dissatisfaction about reality that differs from expectations.
2) Often describes such emotions as suspicion, dissatisfaction, bitterness, criticism, regret, etc.
3) Clause following pattern is often omitted, as in sentence ❹ .
~も~し~も
both…and…
❶ あしたは数学の試験もあればレポートも提出しなければならないので、今晩は寝られそうもない。
❷ あの人は性格もよければ頭もよさそうです。
❸ きのうの試験は問題も難しければ量も多かったので、苦労しました。
❹ あのメーカーの製品は値段も手ごろなら、アフターケアもきちんとしていますね。
❺ 今度の仕事は予算も不足なら、スタッフも足りない。成功は望めそうもない。
❻ りんごにはいろいろな種類があります。赤いのもあれば、黄色いのもあります。
❼楽もあれば苦もあるのが人生というものだ。
接続 | Nも+Vば/イAければ/ナAなら/Nなら+Nも |
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1)前の事柄と同じ方向の事柄を加える(プラスとプラス、マイナスとマイナス)。
2) ❻ ❼のように、同類のものや対立するものを並べて両方ある、という言い方もある。
1)Adds like evaluations to what precedes it (positives with positives, negatives with negatives).
2)Also can be used as in sentences ❻ and ❼ to show parallels in contrasts.
receive from
❶ わたしは子どものころ、よくおじに本をもらいました。
❷ A:いいネクタイですね。自分で買ったんですか、だれかにもらったんですか。
B:兄にもらったんです。
❸ わたしは勤続20年で会社から30万円もらいました。
❹ わたしは先生にいい本をいただいた。
❺ 母は田中先生からお手紙をいただいてうれしそうだ。
接続 | Nを+もらう |
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1)ものを受ける人を主語にした授受の言い方。ものを受ける人は「わたし」、または与える人より心理的に「わたし」に近い人である。
◆ × リカさんはわたしからプレゼントをもらいました。/
× あなたはわたしの妹にプレゼントをもらいましたか。
2)与える人を表す助詞は「に」でも「から」でもよい。ただし、与える側が人ではない場合(会社・学校・団体など)には、 ❸ のように「から」を使う。
3)「いただく」は、 ❹ ❺ のように与える人が目上の場合に使う。
1)Subject is receiver. Receiver can be speaker or someone psychologically close to speaker.
◆ × リカさんはわたしからプレゼントをもらいました。/
× あなたはわたしの妹にプレゼントをもらいましたか。
2)Particles indicating giver can be either に or から. When giver is not person (such as in cases of companies, schools, groups, etc.), から is used, as in sentence ❸ .
3)Form いただく is used when giver is social superior, as in sentences ❹ and ❺ .